昨日は「雨の日スペシャル」で、いろいろなヘッドマークを取り付けて走る急行列車の話をしました。

 

昭和の時代は、もちろん国鉄ですから、国鉄形といえば一部の特殊な車両を除いてほぼ全国区で走っていましたので、いすみ鉄道のキハ28も、全国で急行列車用として活躍しました。

何しろ系列の仲間を合わせると1600両以上も走っていたのですから、北海道から九州まで、全国で活躍していたわけで、ということは、それぞれのヘッドマークを取り付ければ、それぞれの地域の列車になるというのも、国鉄形キハの有利な点なのであります。

すなわち、「ニセコ」と付ければ函館本線になるし、「丹後」と付ければ山陰本線にもなるのです。

 

以前に石破さんがいすみ鉄道にお見えになられたとき、せっかく大臣がいらっしゃるのですから、何かおもてなしをしたいと考えました。ところが、いすみ鉄道には予算がありません。日本全国を回られていらっしゃる石破さんに対して、予算のないいすみ鉄道が、けち臭いおもてなしをしたら、「なあんだ。大したことないなあ。」と思われてしまうかもしれませんので、いろいろ考えていたのですが、いすみ鉄道のスタッフの一人が、「社長、こういうのはどうでしょう。」と言って、1つのヘッドマークを作ったんです。

 

それが「砂丘」。

鳥取と岡山を結んで活躍した急行列車のヘッドマークです。

なぜ、「砂丘」かといえば、石破さんは鳥取のご出身だから。

学生時代に東京に出てこられるときに、石破さんの時代なら当然列車でいらしたはずですから、その当時の急行車両に鳥取の急行列車「砂丘」のヘッドマークを取り付けたら喜んでいただけるのではないか。

お金はないけど、心がこもったいすみ鉄道流のおもてなしです。

 

 

これがその時の写真です。

「おお、これは実に懐かしい。」

そうおっしゃっていただいて、満面の笑顔です。

 

このように、国鉄形というのは実は最強のプレーヤーであって、全国で活躍したということは、全国でこの車両に乗った思い出がある人たちがいて、そういう皆様が初めていすみ鉄道にいらしていただいたとしても、「ああ、懐かしい。」と思っていただける。

ということは、この沿線を自分の故郷のように感じていただけるのでありますから、地域にとっても最強のツールなのであります。

 

大きなお金をかけて、「どうだ、おれたちはこんなに素晴らしい車両を持ってるんだぞ。」的な列車を走らせても、気持ちがこもっていなければ、なかなかうまくはいきません。でも、いすみ鉄道は、お金をかけなくても、ちょっとした工夫と、お客様に喜んでいただきたいという気持ちがありますから、昭和のおんぼろディーゼルカーでも、これだけたくさんの皆様方に可愛がっていただけているのであります。

 

まあ、こればかりは「ものの価値」がわかる人だけがお客様になれるという条件付きなのでありますが、それは当然といえば当然で、なぜなら、観光というのはファンビジネスだからであります。

神社仏閣に興味がない人にはその良さをいくら説明しても無駄ですし、南の島のビーチへ行こうとしている人に、「渓谷の清流の美しさ」をいくら説明してもお客様になっていただくことはできません。

つまり、これが「ものの価値」でありますから、取り立てて見るところのない田舎の田んぼの景色でも、逆に言えば、「ものの価値」がわかる人たちからすれば、立派な観光地になるのであります。

 

ほらね。昭和の国鉄形を走らせるだけで、冬枯れの田んぼの真ん中にだって、これだけの人が集まるんですから。

皆さん、たぶん、自分の故郷の懐かしい情景を重ねてみているのだと思います。

ということは、今までの人生で千葉県には縁もゆかりもない人でも、千葉県のファンになっていただけるということなのであります。

そして、これが国鉄形の実力を熟知しているいすみ鉄道の観光戦略なのであります。

 

 

 

渡辺新悟さん撮影の春のいすみ鉄道。

菜の花や桜が終わったからと言って、絵にならないわけではありません。

国鉄形が走るだけで、40年前の昭和の原風景に逆戻りできる。

一年を通してシーズン・オフなどないのです。

これが、いすみ鉄道沿線の価値であり、キハの価値なのであります。

 

なぜなら、かつて日本全国で見られたこういう景色が、今、いすみ鉄道だけでしか見られないのですから。

オンリー・ワンなのであります。

 

 

4月29日、いすみ鉄道応援団の皆様方が、いすみ鉄道開業30周年を記念して「春のいすみ鉄道祭り」を国吉駅で開催してくれます。

昭和の自動車やボンネットバス、そして、鉄道体験なども企画しています。

いすみ鉄道は何のヘッドマークを取り付けて走るでしょうか。
今から楽しみですね。

 

5月20日には、「ヘッドマーク祭り」を開催いたします。

懐かしの国鉄時代のヘッドマークを各種用意して、即売会を行い、ご購入いただきました皆様へはその購入されたヘッドマークを列車に取り付けて走行することができるイベントです。

 

何しろ、系列の仲間を合わせると1600両以上もあった国鉄急行形キハ28は、現役で営業列車として活躍するのはいすみ鉄道の1両のみとなってしまいましたので、それが、「ものの価値」なのであります。

 

皆様、どうぞお楽しみに。

 

 

※注

いすみ鉄道国鉄形気動車オーナー様、サポーター様へは、「オーナー・サポーター限定撮影会」のご案内を今週末を目処にご登録アドレス宛にメールでご連絡いたします。(有効会員様のみ)

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

元記事へのリンク

いすみ鉄道 社長ブログいすみ鉄道 社長

投稿者プロフィール

いすみ鉄道のようなローカル線は、鉄道会社といっても零細企業です。こういう小さな会社は、社長が何を考え、どういうポリシ―や方向性で進んでいるのかを皆さまに直接お伝えし、ご理解いただくことが大切だと考えています。このブログでは、地元の情報やイベントなども併せて、「いすみ鉄道の今日」をお伝えいたします。どうぞお付き合いくださいますようお願い申し上げます。

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